2020年02月08日

初期油彩画

プラド美術館に行って、珠玉の作品群に出会った。

一生かけてもたどりつけない、
収斂の先

色が深く美しい一群の絵があった。
Van der Weyden, Jan Gossaert (Mabuse), Antonello da Messina

光に満ちた
初期油彩画の世界


何をどう捉えたらいいのか判らない中で、
グザヴィエ・ド・ラングレ『油彩画の技術』を読んだ。

何度も何度も読み返しては美術館に通った。
処方を試したかったが屋根裏のアパートではできることが限られた。


『油彩画の技術』結びの言葉。
『君の作品を通じて君自身の完成を手助けしたいと願う』

作品を作り、
自分自身に近づくことで、

個を超えて行きたいと思った。

posted by gomi at 20:48|

2020年02月18日

浅間・睦月

posted by gomi at 06:27| スケッチ

2020年02月22日

手と思想


初期油彩画に見出した光は、
パリで観た ステンドグラスや印象派の絵にも在った。


Cennino Cennini が書いた技法書の仏語訳に
ルノワールが文を寄せている。

『絵は指物や金工と同様の手工業であり、
それは同じ法則に支配されている』
『最も巧妙なる手は、ただ思想に仕えることによってのみえられる』

中村 彝 訳


画家よ
先づ語るべき思想を持て

先づその思想に秩序を与へよ
表現手法の困難は 常に思想の曖昧を原因とする

明瞭なる感情と心象とは
常に適切なる色調と線條とをもて 画家の手を導くものだ

中村 彝
『藝術の無限感』



posted by gomi at 09:08|

2020年02月29日

色と線


細密に見える初期油彩画も
近くに寄ってみたり、拡大写真を見ると、

ベラスケスや印象派に通じる
簡潔な描法によって描かれているのが判る。

色と線による縦横無尽な表現。


Madrid の画廊で、日本でも流行となる
細密画の台頭を目にしたが、

魅かれたのは、プラド19世紀館にあった
Ignacio Pinazo の詩情あふれる描画の世界だった。

求め続けることになる
古典と印象派をつなぐひとつの道でもあった。


色と線の重なりを想いながら
初期油彩画技法を追いかけることになる。


地中海の光を浴びるためにも、
Pinazo の故郷 Valencia に居を移した。


posted by gomi at 10:42|