2020年06月02日

10年


Valencia での数年間は、
修業方法を見出しただけだった。

初期油彩画技法再現のきっかけをつかんだとしても、
これから

膨大な資料を読み込み、処方を実践し、
デッサンを重ねて、

夢見た自分の制作につなげていかなくてはならない。
構造のある色と線の重なりへ。

本当の修業はこれからだとわかった。


一体何年かかるだろう。
注目している色彩論と顔料の選択の課題もある。

手仕事の修業であれば最低でも10年はかかる。
せめてその10年は生きさせてほしい。

Valencia のカテドラルの前で、水色の空を見上げて祈った。


地中海は描けなかった。
光も色も溢れていたのに。


生活はとっくに行き詰っていた。日本に帰るしかない。
1979年。絵を始めてから10年。

さらにゆっくりと進むしかないことを覚悟した。


posted by gomi at 12:16|