2020年08月06日

バグパイプ


島の各地で守護聖者の祭りがあった。

地元の銀行が各所に展示室を持っているので、
絵を掛けることにした。

レストラン「HANAITA」のオーナーが、
料理をふるまって応援してくださった。


「きれいなものを見せてくれたから」と言って、
伝統的な絣の布や刺繍を
家に呼んで見せてくれた婦人がいた。


伝統楽器としてバグパイプがあることも知った。

片手で笛を吹きながら、片手で叩く小太鼓 とともに
バグパイプはヨーロッパ各地にあり、

スペインやフランスだけではなく、
ベルギーやオランダにも残っている。


中世の写本装飾にも
メムリンクやブリューゲルの絵にも描かれている。

マヨルカとフランドルが
共通の民族楽器を持つことが不思議だった。


posted by gomi at 17:33|

2020年08月15日

violinist


Mallorca には、音楽家も多くいた。

「今なら artist も労働許可証を持てる」と教えてくれたのは、
若いアメリカ人の pianist だった。

Pollença の修道院跡では、毎年クラシックの音楽祭が開かれている。
ディレクターの Eugen Prokop と知り合った。

チェコスロバキア出身の violinist で、
家に行くと、Tokyo String Quartet が訪れた時の写真があった。


小学生の頃 violin を習っていた。
先生は絵も描いた優しいお爺さんだった。

自分の出す音が嫌でやめてしまい、
中学生になって piano も習ったが、指を痛めて途絶えてしまった。

その後、カザルスや
シュヴァイツァーが弾くバッハが好きになった。


Eugen Prokop は、自身の2枚の LP レコードをくださった。

1枚は東京の教会で録音したバッハとハイドン。
もう1枚はチェコスロバキアの作曲家のものだった。

深く 柔らかく 繊細な violin の音色で、
モーツァルトと近しかった作曲家の協奏曲も優雅だった。

東京でのレコーディング場所は、
先回日本を離れる直前に描いた、杉並の教会だった。


posted by gomi at 15:13|

2020年08月23日

地中海


理論が先行しがちだった制作に、
手が追い付いてきた。

手仕事の手順が体に入ってきた。


地中海の青い空と碧い海を画面に定着させたくて
色を塗り重ね続ける。

美しい小さな入り江を描いた時、
不思議な発色を得た。

画面の上で色が揺れる。

パルマ市のクリスマス展示で、優雅 (graceful) な女性が
『彼女の絵』にしてくれた。


それ以降、絵を通して
恵 (grace) 多き魂と、出会っていくことになる。

稀有な、静かな出会いが続いていく。

*

その絵の下絵となった水彩画は
今年96歳になる母の部屋に掛かっている。

「波と共に、水底の石が転がる音がする」
と彼女が言ってくれる。


posted by gomi at 06:03|

2020年08月27日

若い栗


若い栗.jpg


posted by gomi at 13:05| スケッチ