
2020年09月08日
2020年09月13日
2020年09月19日
新天地
美を求める心は誰の中にもあるけれど、
渇望している人は少ない。
稀有な魂と出会うたびに、
心が開かれた人のありがたさが身に染みた。
*
Mallorca で制作に没頭している間に
生活は完全に破綻した。
「生きていく厳しさは常にあるだろう」
という父の言葉に励まされて、
『フランドルで生きてみよう』
と思った。
*
ベルギーで工房を持ち「技法セミナー」を開き、
生活を作ろうと思った。
*
フランドルから、
ヨーロッパを見てみよう。
ゴシックからロマネスク。ゲルマン・ケルトへの
興味は尽きない。
『汎神的風土に
一神教がどう定着していったのか』
永年の関心事に
正面から向き合うことにした。
posted by gomi at 12:08| 地
2020年09月25日
王立美術館
ブリュッセルの王立美術館で
模写を始めた。
卒業制作のつもりだった。
Jan Gossaert と同時代と思われる、
作者不詳の絵を描き始めた。
描いている途中で美術館の修復家に声をかけられた。
「どこで習ったのか」と。
「美術館で絵を見て、修復レポートを読んだ」と答えた。
それ以降、親しく話をしてくれるようになった。
一般的に言われていることと、
私の考えとの違いについてどう思うかを尋ねた。
総て "possible" と答えてくれた。
*
家に来てくれというので訪ねると、
「描いた絵を見てほしい」と言われた。
「本当は絵描きになりたかった。
この絵を見て率直な感想を言ってほしい」
一部古典技法を採り入れた、
優しく愛らしい絵だった。
「私は好きだ」と言うと、
はにかんだような笑みを見せた。
posted by gomi at 14:36| 手