昨年末から100号の制作を始めている。
スケッチから小下絵を起こし、
地塗りをしてコンポジションを転写した。
木々に囲まれた仕事場での制作が続く。
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ずっと世間というものを恐れてきた。
集団生活になじめないことは子供のころからわかっていた。
絵を始めてからも、
世を離れて静かに制作することを望んできた。
そのおかげか稀有な魂との出会いがあった。
ベルギーの森の傍らに移り住んでからも、
魅力的な人々に巡り合った。
世間に知られることよりも、
孤独な魂との邂逅こそ望ましいと思っている。
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世の中は怖いものだという気持ちは、
常にあり続けた。
しかしその世の中で、生きていかざるを得ない。
内側に開かれた生活を求めながらも、
人の世の残酷さに加担している自分がいる。
我を憐れみ給え、
キリエ・エレイソン
絵を描くことは祈ることだと知った。