メロヴィング期への関心が深まったころ、
Marcel Pérès の音楽に出遭った。
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バロック以前の、音楽CDを聴き比べることから始まった。
Marcel Pérès 率いるところの Ensemble Organum は異彩を放っていた。
Alden Biesen の古城での古音楽祭に行き、
魂を奪われてしまった。
羊飼いの歌声、地中海の民謡、さらに東方の香りがする。
美術で知った普遍性が直接現れていた。
いわゆるソレム風のグレゴリオ聖歌しか知らなかった私にとっては、
衝撃的な体験だった。
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グレゴリオ聖歌前後、典礼音楽やポリフォニー(多声音楽)
フランドル楽派
これら中世・ルネッサンスの音楽を、
マルセル・ペレスの導きによって体感していくことになった。
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後に、彼は私に言う。
「自分も絵描きだったら、初期フランドル技法から入っただろう」
「音の重なり」と「色の重なり」
『光の重なり』