『青い鳥』の作者モーリス・マーテルリンクは、
『貧者の寶』のなかで
リュースブルックについて書いている。
近代のフランドル神秘家が、
中世のフランドル神秘家について述べていることになる。
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マーテルリンクは、リュースブルック(片山敏彦訳では レイスブルク )
を理解する鍵として、
古代末期の異教的神秘家プロティヌスを引用する。
「悟性は光そのものを見、光の原理を見る」
「自分自身の光を見る」
「魂は、魂自身がまず美しくなっていなければ
美を見ることはできないだろう」
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訳者 片山敏彦は、「『貧者の寶』をめぐって」の文中、
「西欧神秘主義の風土を私は学生時代に、マーテルリンクの
『貧者の寶』のフランス象徴主義的な
詩的表現のかたちを通じて初めて示された」
と記している。
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プロティヌス、リュースブルック、マーテルリンク、
そして片山敏彦。 光の連なり。