5世紀、ライン河畔にいたゲルマン人の統合が進み
緑の谷 近くから、スヘルデ川沿いのトゥルネーに拠点を移した。
この地域はベルガエ族の頃からゲルマンとのつながりが深かった。
フランク王国メロヴィング期が始まる。
トゥルネーの考古博物館に行くと、フランク王国の工芸品が見られる。
ガーネットや赤色ガラスが嵌め込まれたブローチ・留め金具。
メロヴィング期の美術品は、東方の香りがして力強い。
七宝や、ステンドグラス。初期油彩画などの透過する光に受け継がれる。
フランク王国は拡大し、都はパリに移る。
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15世紀のトゥルネーに、Rogier van der Weyden が生まれる。
この地を訪れる時、Weyden に会いに行くような気がした。
フランスとの国境に近いスヘルデ川支流域は今も亜麻の産地で、
絵画用の亜麻仁油や亜麻布を生産している。
ロマネスクとゴチックが混在するトゥルネー大聖堂に
14世紀のミサ曲が残る。Jan van Ruusbroec が生きた頃の音楽だ。
楽曲形式は様々だが
Ensemble Organum の演奏には深い静けさが宿る。
フランドル初期油彩画の至宝
Rogier van der Weyden の絵も、ダイナミックでありながら静かだ。