ヘルマン・ヘッセの「知と愛」を読んだ時、
ヨーロッパの修道院に触れた気がした。
やがて、手仕事と信仰との密接な関係を知るようになり、
修道院文化の様々な形に魅かれて行った。
フランドルに住んでからは、
アイルランド系修道院の存在にも強い関心を抱いた。
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生活情報誌に連載していた『森とカテドラル』をお読みになって、
日本大使館広報文化センター長が、
日本人会会報にも文を書いて欲しいと依頼してくださった。
フランドルの修道院文化について調べていきたいと思い、
『緑の谷から』と題して連載を始めた。
しかしこの動きは、一部の人々の理解を超えることになった。
非難を受けて、両方の連載をやめてしまった。
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無理解の場に置かれたときには、
立ち去って制作に没頭することにしている。
絵はもっと広い世界に繋がっているからだが、
文章を依頼してくださった方には申し訳ないと思った。
その方は大使職を歴任され、
今も時々個展会場にお越し下さっている。