2022年02月04日

時に入る人


絵の前に佇んだ人がいる。
絵は彼岸と此岸をつなぐのかもしれない。

多くの大切な人々が彼岸に旅立った。永遠の時の中に入っていった。
彼らのまなざしの先に、絵が在ったことがある。


自然の中で絵を描いていると、自分が解体していくのがわかる。
自分も小さなエネルギーの集合体であり、絵もまたごく小さな渦巻だ。

「吾々には、自分の感覚に映じない要素が尚ほ澤山にある、
吾々は自分の知ってゐるより以上の大きなものを包含してゐる」

マーテルリンクは言う。『死後は如何』

原題『La Mort』の同じ箇所の訳には

「無意識の部分、つまり宇宙の一部を構成している部分は、広大で
意識の領域をはるかに凌いでいる」

というのもある。『死後の存続』


宮沢賢治の妹、トシの『自省録』に
「私は自分に力づけてくれたメーテルリンクの智慧を信ずる」
という文がある。

賢治とマーテルリンクの『宇宙意識』

絵は今も時の中に入った人々と重なり続けている。
風景の中で。星とともに。


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2022年02月07日

浅間・冬の陽


浅間・冬の陽 小.jpg



posted by gomi at 14:04| スケッチ

2022年02月14日

『心で見る世界』



『星の王子さま』のキツネの言葉
「かんじんなことは、目に見えないんだよ」

あるいは渡辺和子先生の
『目に見えないけれど大切なもの』

これらは私たちの目が見えることで、
大切なことも見えていると思い込んでいることを示している。

実際、眼に映るものを一生懸命写したり、
写真を見ながら描いたような絵が巷に溢れている。


『生きがいについて』を書くことになる 神谷美恵子を
精神医学の道に導いた精神科医、島崎敏樹に
『心で見る世界』という著書がある。その中で、

「模倣再現への欲求というものは、人間に原始的にそなわっているもので、
この欲をみたすことはもともと芸術とはかかわりないことである」とし、

「一本の線や一つの形が持つ美はそれが含んでいる生命の美のうちにある」と説く。


或る大切な人が病院で薬づけにされた時、
精神科医 井原 裕 先生に救っていただいたことがある。

井原先生は島崎敏樹の孫弟子にあたり、
『精神科医 島崎敏樹 人間の学の誕生』
という著作がある。


posted by gomi at 10:27|