小さな栗の実が落ちるようになり、
知らないキノコが次々と生えてくる。
先日、一枚の絵が私から離れて行った。
ニス引きは残っているものの、もう私の方を向いていてはくれない。
*
今年春、二枚ほど離れて行かない絵があった。
混乱の中
仮引きニスも引いてみたが、やはりそこに留まり続けている。
工程を増やしたことがいけなかったのかもしれない。
工程数を元に戻して、処方の用法を変えてみることにした。
*
工程内の仕事の性質が変わった。
わずかな変化のはずが、
ジェットコースターに乗ったように揺さぶられ続けた。
*
やがて「やりたかったこと」と「やれること」が重なる時が訪れた。
そして静かに私から離れて行った。
この処方にこんな可能性があるとは思わなかった。
これから
もっと自由になれるかもしれない。