2022年11月20日


98歳の誕生日を母は病院で迎えた。
転倒し骨の手術を乗り越えたところだ。


文学が好きだった母に、
子供のころからいろいろな作家を教わってきた。

横光利一から始まって、竹西寛子、山川方夫、須賀敦子、
さらには哲学者の池田晶子。

いずれも透明な美しい空間が広がっている。
母は、かけがえの無い友となった。


神谷美恵子のことを伝えたのは私からだったが、
『ケベースの絵馬』を繰り返し読んでいたことを知っている。

魂の話をしてきた。
母が作った父の墓石は平置きで、表面に何も刻まれていない。


目や耳が衰えるにつれ、
当然こういったことも話せなくなってきている。

しかし、むくんだ足をマッサージしていると
心が通じていることがわかる


透明な広い空間は、
絵で私が追い求めているものだ。


posted by gomi at 16:16|