日本に帰ると東洋画の構造に関心を持った。
墨絵・日本画・漆絵 の
塗り重ねがどうなっているのかを調べると、
時代をさかのぼるにしたがって、
東洋画と西洋画には共通項が多くなることを知った。
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あらためて現代日本の画家、
棟方志功・奥村土牛・小林勇 の仕事を仰ぎ見た。
棟方志功は自宅が作品展示場だったころ、
玄関に高田博厚先生の小品を見い出したことがある。
奥村土牛は構造の強さとともに、絵具の重ねに憬れを抱いた。
色の重ねで、空間の中での位置まで表現している。
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冬青 小林勇 の絵が手元にある。
三越美術部で長く仕事をされた、
嶌田二三夫さんから頂いたものだ。
小林勇の書画は、若いころから大好きだった。
「人は年ごとに、年とってよくならなくてはならない」
『夕焼』という美しい文章がある。
高田先生は小林勇を信頼し、作品も交換したという。
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