2021年08月03日

トゥルネー


5世紀、ライン河畔にいたゲルマン人の統合が進み
緑の谷 近くから、スヘルデ川沿いのトゥルネーに拠点を移した。

この地域はベルガエ族の頃からゲルマンとのつながりが深かった。
フランク王国メロヴィング期が始まる。

トゥルネーの考古博物館に行くと、フランク王国の工芸品が見られる。
ガーネットや赤色ガラスが嵌め込まれたブローチ・留め金具。

メロヴィング期の美術品は、東方の香りがして力強い。
七宝や、ステンドグラス。初期油彩画などの透過する光に受け継がれる。

フランク王国は拡大し、都はパリに移る。


15世紀のトゥルネーに、Rogier van der Weyden が生まれる。
この地を訪れる時、Weyden に会いに行くような気がした。

フランスとの国境に近いスヘルデ川支流域は今も亜麻の産地で、
絵画用の亜麻仁油や亜麻布を生産している。

ロマネスクとゴチックが混在するトゥルネー大聖堂に
14世紀のミサ曲が残る。Jan van Ruusbroec が生きた頃の音楽だ。

楽曲形式は様々だが
Ensemble Organum の演奏には深い静けさが宿る。

フランドル初期油彩画の至宝 
Rogier van der Weyden の絵も、ダイナミックでありながら静かだ。


posted by gomi at 12:36|