2020年03月26日

フランドル初期油彩画



フランドル初期油彩画の傑作は、スペインに多く残されている。

Valencia の Patriarca 美術館にある
Dieric Bouts の十字架降下祭壇画の大きなサイズのものが、
グラナダの王室礼拝堂にある。

Valencia のものはコピーだという説もあるが、
見比べてみると Valencia のものの方がはるかに質が高い。

工房で大きな祭壇画を作る際の
親方による小下絵ではないかと思えるほどだ。


当時の制作は工房仕事なので、作品の帰属は難しい。
この絵も私が見た時は Van der Weyden に帰属されていた。

確かに色の深みは Dieric Bouts より Weyden に近いと思える。

Dieric Bouts は Van der Weyden の工房にいたと推測されている。
 Van der Weyden は Van Eyck の影響を受けている。


Van Eyck は Valencia に来たとも言われている。
その風景からイェルサレムを想い『神秘の子羊祭壇画』に描き込んだという。

Valencia はフランドル初期油彩画家の影響の下にあった。

そして Patriarca 美術館十字架降下図の深い色味に魅せられた。


posted by gomi at 06:05|

2020年02月29日

色と線


細密に見える初期油彩画も
近くに寄ってみたり、拡大写真を見ると、

ベラスケスや印象派に通じる
簡潔な描法によって描かれているのが判る。

色と線による縦横無尽な表現。


Madrid の画廊で、日本でも流行となる
細密画の台頭を目にしたが、

魅かれたのは、プラド19世紀館にあった
Ignacio Pinazo の詩情あふれる描画の世界だった。

求め続けることになる
古典と印象派をつなぐひとつの道でもあった。


色と線の重なりを想いながら
初期油彩画技法を追いかけることになる。


地中海の光を浴びるためにも、
Pinazo の故郷 Valencia に居を移した。


posted by gomi at 10:42|

2020年02月08日

初期油彩画

プラド美術館に行って、珠玉の作品群に出会った。

一生かけてもたどりつけない、
収斂の先

色が深く美しい一群の絵があった。
Van der Weyden, Jan Gossaert (Mabuse), Antonello da Messina

光に満ちた
初期油彩画の世界


何をどう捉えたらいいのか判らない中で、
グザヴィエ・ド・ラングレ『油彩画の技術』を読んだ。

何度も何度も読み返しては美術館に通った。
処方を試したかったが屋根裏のアパートではできることが限られた。


『油彩画の技術』結びの言葉。
『君の作品を通じて君自身の完成を手助けしたいと願う』

作品を作り、
自分自身に近づくことで、

個を超えて行きたいと思った。

posted by gomi at 20:48|