2020年02月22日

手と思想


初期油彩画に見出した光は、
パリで観た ステンドグラスや印象派の絵にも在った。


Cennino Cennini が書いた技法書の仏語訳に
ルノワールが文を寄せている。

『絵は指物や金工と同様の手工業であり、
それは同じ法則に支配されている』
『最も巧妙なる手は、ただ思想に仕えることによってのみえられる』

中村 彝 訳


画家よ
先づ語るべき思想を持て

先づその思想に秩序を与へよ
表現手法の困難は 常に思想の曖昧を原因とする

明瞭なる感情と心象とは
常に適切なる色調と線條とをもて 画家の手を導くものだ

中村 彝
『藝術の無限感』



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2020年01月19日

手仕事


手仕事に魅かれて店舗装飾のアルバイトに就いた。
大工仕事、壁紙貼り、塗装 の基本を教わった。

それらが後になって、昔の絵画技法を追いかけ
下地から絵を作っていく工程で、
どれほど役に立ったかわからない。

塗料の濃さに従った刷毛の扱いや、紙への糊引きや貼り込み
仕事の段取りや工夫。

失敗だらけだったのも良い経験だった。
言葉でも頭でもない、実践としての「手」仕事の世界。


卒業後、小さな内装会社の設立にも加わったが、
数年で辞めてスペインに旅立った。

その頃の一人は、後に弦楽器の弓の制作者になり、
フランス職人の勲章をもらったという。


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2020年01月09日

収斂

テイヤール・ド・シャルダンを教えてくれたのは、
生物学者 国井喜章先生だった。

オメガ点への収斂。
人間は究極の英知に向かう。

「収斂」という言葉に魅かれた。
少しずつ焦点を結んでいく。形になっていく。

ひとつに向かっていくなら、univers 「宇宙・普遍」となる。
真・善・美 の一致点へ。


収斂は手の修練でもある。
推敲でもあり、技術の錬磨でもある。

作意を超える時が来て、
個を超える時が来る。

我執を離れ、ゆだねていく時が来る。
宮沢賢治

『正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識して
これに応じて行くことである』

posted by gomi at 06:49|