2020年02月08日

初期油彩画

プラド美術館に行って、珠玉の作品群に出会った。

一生かけてもたどりつけない、
収斂の先

色が深く美しい一群の絵があった。
Van der Weyden, Jan Gossaert (Mabuse), Antonello da Messina

光に満ちた
初期油彩画の世界


何をどう捉えたらいいのか判らない中で、
グザヴィエ・ド・ラングレ『油彩画の技術』を読んだ。

何度も何度も読み返しては美術館に通った。
処方を試したかったが屋根裏のアパートではできることが限られた。


『油彩画の技術』結びの言葉。
『君の作品を通じて君自身の完成を手助けしたいと願う』

作品を作り、
自分自身に近づくことで、

個を超えて行きたいと思った。

posted by gomi at 20:48|

2020年01月30日

金森 馨

決心してヨーロッパに行くことにした。

舞台美術家の金森馨さんに「向こうで見る油絵は違いますよ」
と言っていただいたことがずっと心に残っていた。

油絵の具が自分に合わない気がして、
金森さんのスタッフ募集に応募したことがある。

「本当は何がやりたいんですか?」と訊かれて、
「絵をやりたいのだけれど、油絵の具になじめない気がして」と答えた。


実際にプラド美術館で数世紀に渡る「油絵」を見た時、
技法的なことを何も知らないことに驚いた。

「知っている」絵はたくさんある。
しかし『物質としての美しさ』は初めて知った。

日本でも主要な展覧会は観てきたつもりだったが、
人の肩越しやガラス越しがほとんどだった。

「何を描くか」が先行していて「いかに描くか」の大切さには至らなかった。

「透明で美しい油絵を描きたい」と強く思った。


見当違いに飛び込んできた若者に、
金森馨さんは親切にも道を指し示してくださった。

才気あふれる人を前にした高揚感の中で、
代々木八幡の木々が輝いて見えたのを覚えている。


posted by gomi at 06:46|

2020年01月19日

手仕事


手仕事に魅かれて店舗装飾のアルバイトに就いた。
大工仕事、壁紙貼り、塗装 の基本を教わった。

それらが後になって、昔の絵画技法を追いかけ
下地から絵を作っていく工程で、
どれほど役に立ったかわからない。

塗料の濃さに従った刷毛の扱いや、紙への糊引きや貼り込み
仕事の段取りや工夫。

失敗だらけだったのも良い経験だった。
言葉でも頭でもない、実践としての「手」仕事の世界。


卒業後、小さな内装会社の設立にも加わったが、
数年で辞めてスペインに旅立った。

その頃の一人は、後に弦楽器の弓の制作者になり、
フランス職人の勲章をもらったという。


posted by gomi at 08:36|